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離婚で家をどうする?売却・任意売却を考える前に知っておきたいこと

2026年2月16日

               

カテゴリ: コラム

「この家、これからどうしたらいいんだろう」

離婚を考え始めたとき、多くの方がまず“家”の問題に立ち止まります。

それは単なる不動産の話ではなく、これまでの生活と、これからの暮らしをどう切り替えていくかという、とても個人的で、簡単には人に話しづらい悩みだからです。

「今は気力がなくて考えられない」
「もう少し落ち着いてからでいいかもしれない」

そう思う気持ちは、とても自然なことだと思います。

実際、無理に答えを出す必要はありません。

ただ、これまで多くのご相談を受ける中で感じているのは、何も決めないまま時間だけが過ぎてしまうと、選べるはずだった選択肢が少しずつ減ってしまうことがある、という現実です。

状況が悪くなったから相談に来られる、というより、「もっと早く整理しておけばよかった」と後から気づかれる方のほうが多いのも事実です。

それは決して、判断が遅かったからでも、間違った選択をしたからでもありません。

このコラムでは、離婚にともなって家をどう考えていけばいいのか、今すぐ決断するためではなく、これ以上状況を難しくしないために知っておいてほしい視点や考え方を、できるだけやさしい言葉でお伝えします。

第1章|離婚のとき、家の問題が一番後回しになりやすい理由

離婚を考え始めたとき、やるべきことや決めなければならないことが一気に増えます。

気持ちの整理、これからの生活、仕事や子どものこと。

その中で「家のこと」は、どうしても後回しになりがちです。
それは決して、現実から目を背けているからではありません。
むしろ、心を守るための自然な反応だと感じています。

家は生活の拠点であり、楽しかった時間や頑張ってきた記憶とも強く結びついています。
そこに触れること自体が、つらいと感じるのは当然のことです。

また、家の話にはお金の問題がついて回ります。
住宅ローン、名義、今後の住まい。
どれも現実的な話ですが、感情が揺れている時期には、冷静に向き合う余裕が残っていないことも多いのです。

実際のご相談でも、
「今はまだ考えられなくて」
「落ち着いたら相談しようと思っていた」
そうおっしゃる方は少なくありません。

ただ、家のことを考えないまま時間だけが過ぎてしまうと、後から選べたはずの選択肢が少なくなってしまうことがあります。
だからこそ、無理に答えを出す必要はありませんが、
状況を把握することだけは、早すぎるということはありません。

第2章|離婚で家をどうするか 決断と整理は別に考えていい

離婚にともなって家のことを考えるとき、「決めなければいけない」と自分を追い込んでしまう方は少なくありません。

けれど、整理することと、決断することは別です。

この二つを同時にやろうとするから、気持ちが苦しくなってしまいます。

整理とは、今の状況を知ること。
それだけです。

たとえば、
・家の名義はどうなっているのか
・住宅ローンは残っているのか
・今後その家に住み続ける可能性はあるのか
これらを感情とは切り離して、事実として確認することが整理です。

この段階で、結論を出す必要はありません。
むしろ、早く答えを出そうとすると、後から気持ちが追いつかず、違和感を抱えてしまうこともあります。

整理した結果、「今は動かない方がいい」という判断になることもあります。
それも大切な選択です。

第3章|離婚にともなう家の売却をどう考えるか

家をどうするかを考える中で、「売却」という言葉に触れると、気持ちが大きく揺れる方もいらっしゃいます。

家の売却は、離婚という生活の変化に合わせて、住まいの形を見直すための一つの選択肢です。

良い・悪いで判断するものではなく、今の状況や今後の暮らしに合っているかどうかで考えるものです。

感情が整理しきれていない状態で、「早く手放した方が楽になる」と進めてしまうと、後から気持ちの整理が追いつかず、つらさが残ることもあります。

売却は目的ではありません。
これからの生活を無理なく整えるための手段です。

一度立ち止まって、冷静に考えることが大切です。

第4章|離婚と任意売却 怖い言葉に振り回されないために

当社にご相談いただく中でも、「任意売却」という言葉だけを見て、必要以上に不安を感じてしまっている方がいらっしゃいます。
ですが実際には、任意売却は特別な人だけが使う方法ではありません。

住宅ローンの返済が難しくなったときに、金融機関と話し合いながら、できるだけ負担を小さくする形で家を売却する仕組みの一つです。

通常、ローンが残ったままでは家を自由に売ることはできません。
しかし任意売却では、金融機関の同意を得ることで、市場に出して売却することが可能になります。

競売と違い、売却活動の方法やタイミングをある程度調整できる点も、大きな特徴です。

離婚の場面では、
・住宅ローンを一人で支え続けるのが難しくなった
・名義と実際の支払いが一致していない
・別居後に家の維持費が重くのしかかってきた
といった理由から、任意売却を検討するケースも少なくありません。

ここで大切なのは、「もう任意売却しかない」と決めつけてしまわないことです。
状況によっては、通常の売却で整理できる場合もありますし、住み続けられる可能性が残っていることもあります。

ただし、時間が経てば経つほど選択肢が狭まってしまうのも事実です。
返済が滞り始めてから慌てるより、少しでも不安を感じた段階で状況を確認しておくほうが、落ち着いて判断しやすくなります。

任意売却という言葉は強く響きますが、本来は生活を立て直すための一つの手段です。
怖がる必要も、急ぐ必要もありません。
ここは、本当に無理をしなくていいところです。

まずは今の状況を整理し、何ができて、何がまだ間に合うのか。
それを一緒に確認するところから始めていきましょう。

第5章|相談するという選択肢について

離婚と家の問題を前にすると、「相談すること」自体にハードルを感じる方も多いと思います。

・何を聞けばいいのか分からない。
・うまく説明できる自信がない。
・まだ何も決めていないのに、相談していいのだろうか。
そう感じるのは、ごく自然なことです。

実際のご相談でも、最初から話が整理されている方はほとんどいません。
断片的な状況や、まとまりきらない気持ちを、少しずつ言葉にしていく中で、全体像が見えてくることのほうが多いのです。

相談は、売るかどうかを決める場ではありません。
今の状況を一緒に整理し、できることと、今は難しいことを分けて考える場です。

相談方法も、ご来店だけではありません。
メールや電話など、話しやすい方法で構いません。
どの形が正解、ということもありません。

まとめ|離婚と家の問題を一人で抱え込まないために

離婚と家の問題は、一人で抱え込むにはとても重たいテーマです。
当社では、考えがまとまっていない段階でのご相談も多くお受けしています。
話しながら一緒に整理していくことで、「今は何をしなくていいのか」が見えてくることも少なくありません。

相談は、何かを決断するためのものではなく、これ以上、状況を複雑にしないための行動です。

このコラムが、誰かに話してみようかな、と思えるきっかけになれば幸いです。